(2010/DVCAM/モノクロ/ステレオ/16:9/30min)
■TOP ■ストーリー ■予告編 ■スタッフ・キャスト ■作品へのコメント
2008年の8月、福居ショウジンにインタビューした時、
彼は、次回短編作『S-94』は、彼の今後すべての作品を方向づける映画になるだろう、と説明してくれた。
「私はこの映画で、ウィルスを取り上げました。ウィルスは、これから私がさらに展開させていきたいと思っている題材であり、この新作はそうした作品を創っていくにあたっての、最初のステップなのです。」
彼はそう語った。
そしてついに完成した『S-94』を観て、私は愕然とした。
ダークで、凶暴で、暗黒の闇の詩のごとくとてつもないシーンの数々。
例えば、ガスマスクと防護服で完全軍装した主人公の美羽が、廃墟と化した東京をバイクで疾走していくシーンでは、彼女の背後を流れ行く、黒く大きくそびえたつビルの群れが、まるで死滅していった人類の墓のように見えた。
しかし、この新作が本当にまだ、福居の定義するウィルス映画の、ごく最初の段階にすぎないとしたら、彼はこの先、本当に恐るべき映画を私たちに体験させようとしていることになる。
さあ貴方も、どうぞお楽しみに。もしその恐怖を味わう勇気があるのなら。
ヨハネス・シューンヘル(『the hiding -潜伏-』大阪上映プロデューサー)
When I interviewed Shozin Fukui in August 2008, he explained that his next short film S - 94 will set the tone for all of his upcoming work.
“This next film already has a virus as subject matter. It’s the first step on making the virus movie. I want to evolve this subject matter,” he said.
Now, I finally saw S -94 and I was stunned. It’s dark and violent and full of incredible scenes of the darkest poetry: like Miu racing on a motorcycle through dead Tokyo, in full gear with gas mask and protection suit, the big black building blocks towering over her head looking like tombstones to a vanished race.
But if this is really only the first step towards Fukui’s definite virus movie, he is preparing for a truly terrifying cinematic experience.
Stay tuned if you dare.
Johannes Schonherr
観客の反応はさまざまでした。途中退席する人はそれほど多くありませんでしたが、観客は動揺し、少しショックを受けていたようでした。
私は日本映画を探求していて、この作品は世紀末後といったテーマゆえに特別に私の興味を惹きましたが、 この作品はとても好きだけれど、私の好みのタイプの映画ではない、といった観客の方も見受けられました。
わたしはこの作品のミニマリズムと、ロケーションの使われ方が好きです。(おそらくクラブのようなところが核シェルターとして使われているのでしょうか?)また、私はガスマスク・フェティッシュではありませんが、コスチュームとしてのWWIガスマスクの使われ方も面白いと思いました。
Milos Tomin(映画評論家・国際映画批評家連盟メンバー)
The audience reaction was mixed to say the least, although, not too many people did leave the screening, but they were disturbed and a bit shocked. That said I loved the film, but I am not your regular audience... I seek out Japanese films and this one in particular drew my attention due to it's post-apocalyptic theme. I liked the minimalism and the clever use of locations (one of which was probably a club standing in for a bomb shelter?).
It was kind of funny to see the use of WWI gas masks in costumes, I know some people have the gas mask fetish, unfortunately it is not one of mine.
Milos Tomin(film critic, FIPRESCI member)
テンポよく一気に観させてもらいました。音も興味深かったです。ポイントはパースペクティブと感じました。
坂本剛二郎(JADOO)
マイクの距離感やモノクロ画質も音とともにエッジの効いた演出が楽しかった。
マイキー(JADOO)
暗さ(照明)がとても良い、キレーなモノクロだった。ただもう少し細かい描写が欲しかった。
うるさかった。
あや
閉塞感、乾いた空気、非日常。血が出る映像は苦手で、目をそむけてしまうのですが、『S-94』は何故か直視している自分がいました。生々しくないのに観終わった後、戻ってこられない感覚がありました。
理恵
観てて窒息してしまうような錯覚を感じました。全力疾走したあとの感じとか、モノクロの映像がナマナマしくよかったです。
オー!いでっち
『S-94』グロかった。しかし見終わって感ずる物がありました。人類が死滅したモノクロームの世界を、ガスマスクに防護服の登場人物が、バイクで走るシーンのカット割りには、遠い昔に見た光景を想起させる物がありました。死滅した世界で見た遠い昔の光景。この作品は爆音で上映するそうです。目をつぶっても、音や台詞が聞こえれば、場面内の状況を想像する事は出来ます。画は、音との関連によって最も効果を発揮します。死滅した世界と爆音は、観る人の理性を破壊し遠い昔の原子体験を可能にする。中途半端に生かすくらいなら、いっそ殺してくれ。
『悪魔がきた』監督 坂井田俊
ラストシーンがキョーレツ過ぎて、終わったあと心臓がバクバクした。 ショートフィルムだけど十分な内容だった。ものたりなさを感じなかった。内容がブラックすぎるので、ちょっとびっくりしたがたのしめた。ラストが死にたい人間が本当にボロボロになってしまう意味をいろいろ考えた。 少しヒッチコックのショートムービーを思わせた。これは一般の映画館では味わえないもので、それが良かった。
ミノル
S-94 (2009)
the hiding-潜伏- (2008)
出れない (2007)
ラバーズ・ラバー (1996)
ピノキオ√964 (1991)
キャタピラ (1988)
ゲロリスト (1986)
METAL DAYS (1986)