プロローグ
身元不明の少女 Ⅰ
1
/
2
/
3
/
4
/
5
身元不明の少女 Ⅱ
1
/
2
/
3
/
4
身元不明の少女 Ⅲ
弥生
1
/
2
/
3
/
4
/
5
291号室
1
/
2
/
3
/
4
/
5
6
/
7
/
8
/
9
第二の事件
1
/
2
/
3
/
4
/
5
6
/
7
リプレイ
見殺し
1
/
2
/
3
/
4
/
5
再捜査
1
/
2
/
3
/
4
/
5
生霊
1
/
2
/
3
/
4
/
5
6
/
7
協力者
潜伏
1
/
2
/
3
/
4
/
5
6
/
7
/
8
/
9
果て無き興亡
1
/
2
/
3
/
4
/
5
6
/
7
/
8
/
9
再捜査 Ⅱ
1
/
2
/
3
/
4
/
5
6
/
7
/
8
/
9
/
10
エピローグ
|
協力者 Vol.4
夕方のニュ-ス速報で甘利は吐瀉物を気管に詰まらた為の窒息死として、事件性は無く、事故死と断定された。大きなうねりが一つに繋がろうとしていた。
「少女だけ関係性が見えてこなかったけど、本当に少女がミチエの娘なら、全てが繋がった事になるわ」
清美は得体の知れない“何か“の存在をひしひしと感じていた。何の繋がりもない人間の死が、浅田ミチエで繋がったのだ。生霊とか祟りとは認めがたいが、積極的に否定も出来なくなっていた。清と謎の男の可能性も十分に考えられるが、死者達は一様に事故死と断定されている。手を下していたとしても、方法が見えてこない。
「特殊な能力を使ったとは考えられない?」
源三はまたかという顔になった。
「サイキックって言いたいんか」
「一言では言い尽くせないけど、少女の時、源三以外に第三者が関わっていた可能性があるの。そうよ、元々その事に引っ掛かっていたのに。事故死と断定されて、それ以上突っ込めなかったの」
清美は当時の状況を出来るだけ鮮明に再現していった。
「第一通報者が直接、刑事課に掛けてきたのよ。110番じゃなく直通でよ。私が現場に到着した時、今から思えばタイミングを合わせたように救急隊員が居た。つまり、こう考えられるのよ。仮に第三者が居たとして、目の前で事故が起こった。最初、死んでいるとは思わなかったのよ。だから119番通報した。その後、異変を確認した。刑事課に直通したのは源三、貴方を容疑者にする為の工作だった。」
「一体、何の為にわざわざ手の込んだ真似すんねん。俺はそこまで恨み買うような生き方してへんで」
豪語した源三の顔が曇った。否定しつくせないのも、確かだったからだ。
「第三者は源三でなく、少女を追っていたと考えられない?」
「ちょっと待てや。その第三者って一体、誰やねん。まさか清!」
「そう考えれば法子と甘利教授にも繋がる」
「俺の時はどうなる。清が何かした言うんか。それはこじつけやで。ここには俺以外、誰も居れへんかった。自分に起こった事ぐらい責任持ってるつもりやで。あれは得体の知れへん現象やった」
「記憶を見事に失う人が何の責任?もっと現実的になったら」
「何やと!」
源三は怒りを剥き出しにして清美を睨み付けた。
「生霊に祟られて人が死ぬなんて有り得ない。もっと別の力が及んだのよ。少女が鍵を握っているんだ」
「ええか、よう考えてみいよ。目的は何や。少女と遭遇したんは、たまたま偶然やったんか?俺は違うと思う。双子はミチエに面会したんやろ。その時、ミチエの生霊が取り付いて、あの病院の外に出たんや。少なくとも意志だけは脱出に成功した。それで俺らを。待てよ、取材で面会した時か?あかん、頭がゴチャゴチャしてきた」
結局のところ、二人は答えを見出せなかった。
「こんな所で議論するよりも、助手の渡辺に逢いましょうよ。教授が名古屋に行った目的がはっきりすんじゃない」
|