プロローグ
身元不明の少女 Ⅰ
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身元不明の少女 Ⅱ
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身元不明の少女 Ⅲ
弥生
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291号室
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9
第二の事件
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7
リプレイ
見殺し
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再捜査
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生霊
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7
協力者
潜伏
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9
果て無き興亡
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再捜査 Ⅱ
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エピローグ
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身元不明の少女 Ⅱ Vol.4
「仏さん、あれでしょう。警察発表じゃあ、上下白のスェットで所持品無し、ちゅう事だから、何処かに匿われてて逃げ出して来たんじゃないのかな」
「俺も、そうにらんでたんだよ。宗教系に居たっぽくない?マスタ-、顔見たんでしょ。どんな子だったか教えてよ」
「そうそう、顔写真ぐらい早く回せっちゅうの。身元割れなきゃ、結局マスコミの力、頼る癖して。マスタ-、絵書いてよ。第一発見者なんだから」
「ちょっと待ってくれよ。俺は見てね-し、第一、通報してね-もん」
「エッ!だって仏さん、この店の裏で発見されてるじゃん」
心地良い酔いに占領され始めていた清美の脳は一気に覚醒した。
「マスタ-、貴方じゃ無いの、通報して来たの。それじゃ誰よ、第一通報者」
あまりの勢いにマスタ-は面食らった顔をして首を横に降り続けている。もう一度、昨夜の状況を整理してみた。中野署に午前三時過ぎに第一通報が入った。正確な時間は記録を見てみないと解からない。そう言えば、代表ではなく、刑事課に直接掛けられて来た。通報者は110番で掛けて来たんじゃない。直接、電話をうけた谷茂の報告で現場に到着した時、交番巡査の姿は無かった。居たのは救急隊員だ。通報者は少女が死んでいるとは考えず119番した。だが何故、刑事課に。それも直通で・・・。考えれば考える程、疑問が膨らんでいったが、少なくとも刑事課の目を、敢えて今井に向けさせる通報者の意図を感じざるをえなかった。110番ならセンタ-に繋がり音声は記録されるが、谷茂が直接受けている為、記録は無い。通報者が今井だったとしても、やはり刑事課には直接掛けて来ないだろう。それだけ冷静な判断が出来ない程、今井は酔っ払って泥酔していた。清美は事件性を帯び始めたのを、ひしひしと感じていた。
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